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SOLIO XZ 特許取得!

「拒絶理由通知なかったですね。」

少し拍子抜けした口調はアーム型X線CT診断装置SOLIO XZの特許出願で

お世話になった弁理士の多田先生である。

 

 

拒絶理由通知とは

特許審査官が特許として認められないと判断した時、

出願者に理由通知するものだ。

 

 

出願から約2年、すんなり特許査定へ至り、

SOLIO XZの患者様のあごを支える部分である、

レスト部の機構が20191月末、無事、特許として認められた。

 

 

この装置で最もオリジナル性が高い機構である。

今までにない装置を開発し、ユーザーの皆様に喜んでいただく。

エンジニアにとっては苦労が報われる瞬間でもある。

 

 

 20156月。

SOLIO XZの開発はデザインの方向性を決定する最終段階に入っていた。

デザイナーから提出されたレスト部のデザイン3案のうち、

第1、2案は従来の機構をベースにしたもので、内部構造はある程度、固まっている状態。

 

 

3案については従来と全く異なる形状、

異なる動作をすることで内部機構が確定していない状態であった。

 

 

CT撮影被ばく線量低減のため可能な限り小さな撮影領域に限定したい。

小さな領域をより正確に撮影するには、

前後、左右、上下に無段階に調整できる機能が必要である。

 

 

当社のCT装置は

これまでも、この無段階調整機構を標準仕様で搭載しており、

撮影のため固定されている患者さんに全く負担なく

細かい撮影領域調整ができるというところが特徴であった。

 

 

この機能のために、最も重要な部分の1つが、レスト部である。

この機構はさらに改良することで、

朝日レントゲンならではの差別化を図れる余地があった。

 

 

「患者様に負担は与えない」

「使いやすく購入しやすい装置をユーザーの皆様に提供する」

「オリジナル機構で差別化を図る」

 

 

よってレスト部が独自の動きをする、第3案を採用する。それが上層部の決定であった。

 

 

このデザインを実現する為に、開発チームへの指示は

「一見、扇状の動作にみえるが上下直線的動作をさせること」(図1参照)

このレスト部の動きを「駆動モーター1個で実現すると共に

容易に製作できる部品を使用しローコスト化を図る」こと。

 

 

初回簡易試作はモーターを小さくするため

重量をサポートする部品で軽減しようとしたが、

負荷時と無負荷時のバランスの悪さにより、全く動作せず失敗。

 

 

2回目は負荷により上下するアームのフレームにねじれが発生し、補強改善。

 

 

その後、患者固定部のギャップ(がたつき)の調整機構を追加、

制御ソフトの最適化などの試作を経て、

ようやくベースとなる機構完成へと至った。

 

 

2016年、課題を1つ1つクリアしSOLIO XZを商品化。

さらに2018年には、朝日レントゲン史上最高画質の

セファロ画像SOLIO XZ MAXIMの発売に至っている。

 

 

2019年、多田先生からの一報は梅の花咲く季節の嬉しいものであった。

詳しい機構にご興味をお持ちの方は

特許庁WP 特許・実用新案番号照会より特許第6481830号をご覧下さい。

 

朝日レントゲン 技術部

竹内 淳

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