朝日レントゲン

Cases導入事例

耳鼻科用・アーム型X線CT診断装置
「AUGE SOLIO CBCT for ENT」導入事例

こころ耳鼻咽喉科様

夜陣 真司先生

院長紹介

夜陣 真司(やじん しんじ)先生

平成4年 修道高校卒業
平成12年 鳥取大学医学部医学科卒業
平成13年 鳥取大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 助手
平成14年 国立京都病院 頭頸部外科センター 医員
平成16年 日赤和歌山医療センター 医員
平成18年 札幌医科大学 解剖学講座 国内留学
平成21年 学位取得(医学博士)
草津総合病院 頭頸部外科センター 平成23年 同 医長
平成24年 りんくう総合医療センター 耳鼻咽喉科 医長
平成26年 福山医療センター 頭頸部外科センター 医長
平成27年 こころ耳鼻咽喉科 開業
所属学会

日本耳鼻咽喉科学会専門医 / 気管食道科学会 / 頭頸部外科学会など

導入製品

AUGE SOLIO CBCT for ENT

一台でコーンビーム方式のCT撮影と、一般撮影を行うことが可能です。

AUGE SOLIO CBCT for ENT
導入までの経緯

平成26年8月 CTの導入を検討
平成26年9月 当時の勤務先にて商談
平成27年2月 当社ショールームにて見学・導入を決定
平成27年4月 ご開業にあわせて導入

耳鼻咽喉科クリニックのご開業に合わせて、耳鼻科用・アーム型X線CT診断装置 AUGE SOLIO CBCT for ENTをご導入、ご使用いただいております夜陣先生に、耳鼻咽喉科でのCT導入に至る経緯と、導入後の感想についてお話を伺いました。

ご開業時にCTを導入されようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

質的診断を行うためです。

外来診療をしていると鼻のレントゲンを撮影する機会が多いのですが、2次元のレントゲン画像は、質的な診断という面ではCTに比べて弱いです。病変の広がりや良性悪性の診断、特に治癒判定の上でCTが必要と判断しました。
例えばレントゲン画像を撮影して、一側性の上顎洞陰影を認めた場合、歯性上顎洞炎や真菌症、まれに悪性腫瘍の場合もあり、特に見逃せない所見の一つと考えますが、レントゲン画像だけでは質的な評価が困難なことが多いです。

これまでの勤務先の病院ではヘリカルのCTを撮影していましたので、CT画像ならば2次元のレントゲン画像に比べて質的診断が可能で自由度が高いことは分かっていましたが、開業して2次元のレントゲン画像だけでの診断となってしまうと質的診断レベルは下がってしまうという不安がありました。

開業時に2次元の一般撮影装置を導入し、その後CT装置を追加することも考えましたが、新たにCTを導入する場合に、他の電子カルテや画像ファイリングソフトとの連携がスムーズにいくかどうかとか、スペース確保や配線処理工事の問題、コストと時間の問題などクリアすべき点が多いと感じました。
導入コストでいっても、2次元の一般撮影装置に比べてCT装置は思ったほど高くなかったので、最初からCT装置を導入したほうがメリットは大きいと判断しました。

弊社装置を選定されたポイントは何だったのでしょうか?

当医院はビルの1室での開業ですので、特にスペースが限られています。その点でヘリカルCTの導入は難しいので、省スペースでの導入が可能なCBCT(コーンビームCT)タイプの装置を検討していました。

最初はCT撮影と一般撮影を一台で行える装置があることを知りませんでしたが、CT撮影と一般撮影が1台で行えるAUGE SOLIOのことを知り、ぜひ導入したいと思いました。
一般撮影装置とCT装置の2台を導入するとなると広い設置スペースが必要ですが、1台でその両方をまかなえるAUGE SOLIOならば、省スペースでの導入が可能でした。

導入前に他社の機器と画質面も比較検討しました。朝日レントゲンさんのAUGE SOLIOは、CTと一般撮影を一台で行える2in1装置ながらも、満足できる画質でした。
実際に装置や画像をショールームで見て、これだと決めました。

選定の際、装置のスペックや機能以外についても比較検討されましたか?

私は42歳と比較的若い年齢で開業しましたので、これから長い間装置を使用していくことになります。
朝日レントゲンさんの装置は、歯科医院さんで長い間使用されている実績があり、故障自体も少ないということをお伺いし、長く使える装置であることをお聞きしたので安心感を持ちました。長期的に使用するものですから、導入コストだけでなく、ランニングコストでも比較しましたが、朝日レントゲンさんは保守プランも含めて他社に比べてかなり安かったです。

装置だけでなくソフトウェアも自社開発されているということで、私を含めたユーザーの意見を吸い上げ、それをソフトウェアにフィードバックしていただける環境があるということで、今後の耳鼻科領域でのソフトウェアのさらなる進化にも期待しています。

導入時に気になった点などはありましたか?

導入を検討していた段階では、耳鼻科用のソフトウェアは現在のバージョンがまだ完成していませんでしたのでそのことと、実際に使用するとなると、ベースが歯科用のソフトウェアということで使い勝手の面で少し不安がありました。

ですが開業の一カ月前に現在のバージョンのソフトウェアが完成し、導入時には使用することができましたし、実際の操作性に関しては、ソフトウェア・装置ともに、スタッフも含めて問題なく使用できています。

実際に導入されて、どのような症例にご活用されていますでしょうか?


一側性の上顎洞炎の症例(※1)


唾石症の症例(※2)

先ほど申しました一側性の上顎洞炎(※1)は確かにCTでかなりな部分まで評価ができるので良かったと感じています。実際に歯性上顎洞炎として歯科へご紹介する際にもCT画像をCD-Rに落として同封できますしね。
副鼻腔悪性腫瘍は開業してからはまだ経験していませんが、骨破壊などの悪性腫瘍を疑うサインがないことも確認できますので、安心感はかなりあります。

また、開業前にはあまり想定していませんでしたが、唾石症(※2)の診断にもCTが有用です。
例えば先日、顎下腺唾石症の患者さんがおられました。この疾患の患者さんは顎下部の痛みと腫れでお越しになりますが、化膿性顎下腺炎との鑑別が必要になります。どちらも症状が似ているからです。
当医院には超音波診断装置もありますが、顎下腺は下顎骨の内側に存在することもあり、石の大きさや局在によっては超音波での診断が難しいことが多いです。

もしも当院にCT装置がなかった場合、唾石の存在に気づかずに、化膿性顎下腺炎として抗生剤を使用した消炎治療を続けても治らずに、病院をご紹介してCTを撮影して初めて診断がつくといった事態も充分想定されますが、患者さんの負担を考えた場合、はじめからCTで唾石と診断できたことの有用性はかなり大きかったのではないかと思います。
つまり、抗生剤を使っても治癒せずに、患者さんは痛いままで、紹介された病院の診察やCTなどの検査を待つ時間も余計に苦痛だと思いますし、診断がつくまでの時間やお金も余計にかかってしまいます。さらに言えば、この二つの疾患は治療に対する考え方も異なります。
化膿性顎下腺炎であれば保存的な治療で済みますが、唾石症の場合には外科的治療も念頭に入れなければなりません。クリニックレベルでCTを導入しておいて良かったと思えた出来事でした。

もちろん、真珠腫性中耳炎を含めた耳の疾患に対してもCTは有用です。骨に囲まれた硬性組織内の病変にはMRIよりもCTが有用なことが多いですし、一般撮影に比べると得られる情報量は格段にCTが勝ります。

診断という点以外でCT導入のメリットはありますでしょうか?


30年前に手術で鼻腔の側壁を取っていた症例
(術後観察のためCT撮影)

患者さんへの説明がしやすいこともCTを導入して良かった点です。二次元のレントゲン画像だと立体感がなく、患者さんに症状の説明がしづらいのですが、CTの画像だと、分かってもらいやすいです。患者さんに自分の状態を理解してもらった上で、納得して治療へ進めるのはとても良い点です。

中四国の耳鼻咽喉科のクリニックでのCT導入はまだ少ないようですので、当院のHPをご覧になった方が、来院されてCT撮影をご希望されるようなケースもありました。そういった意味ではアピール効果もありました。

また、近隣の歯科医院さんから、インプラント治療のためにCTを撮影してほしいという依頼がありました。その時にも朝日レントゲンさんには、歯科用の撮影の対応をすぐに行っていただけました。導入後のアフターフォローでも満足な対応をしていただけており、担当の方とも信頼関係を築けていますし、会社としても信頼ができます。
長期的に使用する高額な製品なので、何かあった時でも大丈夫という安心感があるのはとても良いです。

先生の今後の展望を教えてください。

開業から間もないので開業前の理念とあまり変わっていませんが、病院にかかる患者さんは少なからず不安をかかえていらっしゃると思うので、当院ではなるべく寛いでいただけるような対応や空間作りを心掛けています。

CTを導入した理由とも関係していますが、患者さんには納得して治療に臨んでもらいたいという思いがあります。インフォームドコンセントや説明をこれからも大事にしていきたいです。
患者さんに、病状を理解して治療に臨んでいただくのが、これからも目標であり続けるのではないかと思います。

私たち医師の仕事は、基本的には、ゼロから何かを作り上げて感動を与えるというようなものではありません。疾患を治療する、症状を緩和する、病気と上手に付き合っていただくといったことが我々の使命ですので、患者さんの満足度という点でははかりづらい部分があります。
ですから私は、患者さんの不安をできる限り少なくすることを第一に考えていきたいです。病状の説明もそうですが、見て分かる検査というのは意義深いです。
患者さんの安心感という意味でもCTの導入はとてもよかったと思っています。

本日は、貴重なお話をどうもありがとうございました。


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